心臓疾患

<心筋梗塞>

心臓は、身体の抹消へ血液を送り出すポンプの働きをしています。この心臓の表面をおおうように走っているのが冠動脈です。冠状動脈ともいいます。冠動脈は、心臓に血液を供給する重要な働きを持った動脈です。この冠動脈の血管壁にコレステロールがたまって動脈硬化が進むと、血管の内側が狭くなってしまいます。このような状態を狭心症といいます。

狭くなった血管に血栓(血液の固まり)ができ、閉塞(血管がつまること)して血液の流れが止まると心臓に酸素を供給できなくなってしまいます。このようにして心臓に酸素が供給できなくなり、心筋の細胞が死んでしまう状態を心筋梗塞症といいます。狭心症を放置すると心筋梗塞症へと移行します。

 

心筋梗塞や狭心症といった虚血性心疾患と呼ばれる症状は、動脈硬化によって冠動脈の血流が妨げられることによって発症します。

そして冠動脈が閉塞して40分ほどすると心筋の壊死が起こり、心筋梗塞となるわけです。

心筋の壊死は心内膜側から始まり次第に心外膜側へと広がっていき、6~24時間で貫璧(かんぺき)性梗塞になります。

狭心症は心筋の壊死までは至らず、心臓は機能しています。それに対して、心筋梗塞では心臓が機能しなくなってしまうため、心不全の合併症となったり、脳にダメージを与えたりするのです。

生活習慣病の危険因子に心当たりがない人でも、発症することがあります。

 

心筋梗塞を引き起こす直接の原因は、血管に血栓ができて閉塞し、血液の流が止まることですが、その直接的な原因は現在もよくわかっていません。しかし、誘因となるいくつかの危険因子はよく知られています。

血中コレステロールや中性脂肪が高い人などの高脂血症や糖尿病、高血圧、喫煙、肥満等は、狭心症や心筋梗塞症の発症と関連が高いことはよく知られています。さらに、過度の疲労、睡眠不足、激務、過度の精神的ストレスも心筋梗塞発症の要因となっています。


<不整脈>

心臓病の中で、心臓の拍動(脈)が早くなったり、遅くなったり、また、不規則になったりなど“脈がみだれる”ものを不整脈(ふせいみゃく)と呼びます。不整脈という病気の中には、心臓の洞結節(自然のペースメーカ)、または、刺激伝導系がきちんと働かなくなったことが原因で脈が非常に遅くなってしまうものがあり、これを徐脈性不整脈(じょみゃくせいふせいみゃく)といいます。また、それとは反対に脈が非常に早くなってしまうものを頻脈性不整脈(ひんみゃくせいふせいみゃく)といいます。ペースメーカーはこのうち「徐脈性不整脈」を治療するためのものです。

 

原因は、先天的なものや加齢によるもの、生活習慣からくるもの、全身の病気、心臓の病気など様々です。症状としては胸が苦しい、動悸がする、脈がとぶといったものが挙げられます。

多くの場合治療の必要はありませんが、中には失神・突然死につながるものもあります。。